「守り」の生活防衛資金が整ったら、次は「攻め」の資産形成へ。難しそうに見える株式投資も、新NISAとインデックス投資で誰でも始められます。少額からコツコツ積み立てるだけで、40年後には普通預金と比べて約1,000万円の差に。あなたの将来を変える「攻め」の第一歩を踏み出しませんか?
はじめに:資産形成、次のステップへ
前回の記事では「守り」の資産形成=生活防衛資金について解説しました。守りの土台ができたら、次は「攻め」のフェーズに進みましょう。
今回はいよいよ”攻め”の資産形成、つまり「お金に働いてもらう」段階です。銀行預金だけでは増えにくい時代、賢く資産を育てるには何が必要なのでしょうか?
資産形成を本格化させるには、税制優遇を最大限活かせる制度を使うことがカギ。そこで活躍するのが、2024年からスタートした新しいNISA制度です。
新NISAってなに?簡単に解説
2024年からスタートした「新NISA」は、これまでの制度よりも圧倒的に使いやすくなった非課税投資制度です。
ポイントは3つ!
- 投資で得た利益に税金がかからない(非課税)制度
- 年間360万円、最大1,800万円まで非課税で運用できる
- 「つみたて枠(成長投資枠)」の併用が可能
本来、株式投資で得られた利益には税金(20.315%)がかかります。その税金をゼロにできるのがこのNISA制度なのです!
例:株を売って10万円の利益が出た場合、通常は約2万円(20.315%)の税金が引かれるので 利益は約8万円ですが、新NISAなら税金がゼロになるため10万円そのまま手に入るのです!
使い方次第で、投資初心者でも無理なく長期の資産形成を進められる仕組みです。でも、何に投資すれば良いのでしょうか?
投資対象は株式一択!その理由とは
資産形成の「攻め」にはさまざまな選択肢がありますが、長期目線で見るなら株式投資が有力です。
なぜ株式なのか?以下は約200年前に1$をどのように運用したらいくらになってる?というグラフです。

見ての通り、株式が約60万倍と一番高い数値を出していますね。もちろん、今後もこの傾向が続くとは限りませんが未来は誰にもわかりません。過去に基づき株式で運用することが一番合理的と言えます。
株式と言っても様々な投資対象がありますが、初心者にとって最も始めやすいのがインデックス投資でしょう。次にインデックス投資について紹介します。
株式投資の王道:インデックス投資とは?

インデックス投資とは、日経平均やS&P500などの市場全体の動きに連動する投資信託に投資する手法です。
個別企業を選ぶ必要がないため、知識が少ない初心者でも始めやすいのが特徴。特に長期で行う資産形成では、インデックス投資が適しています。
- 分散投資が効いている
- 低コストで運用できる
- 市場全体の成長を享受できる
「難しそう…」と感じる人ほど、インデックス投資から始めてみるとよいでしょう。ただし、どんな投資方法にもメリットとデメリットがあります。
インデックス投資のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
分散が効いていてリスクを下げられる | 相場全体が下がると損失も出る |
長期で安定した成長が期待できる | 個別株ほどの爆発力はない |
投資対象を選ぶ必要がなく初心者でも始めやすい | 人によっては退屈に感じることも |
インデックス投資以外にも様々な投資スタイルがありますが、それぞれ特徴が異なります。自分に合った投資スタイルを見つけることが大切です。
ここまで読んで「結局どれくらい資産が増えるの?」と思われた方も多いはず。実際に普通預金と比べてみましょう。
どれくらい増える?普通預金との違い
普通預金と積立投資をそれぞれ同じ年数実施した際の最終金額を見てみましょう。
条件:
- 積立額:月1万円
- 期間:40年
- 積立投資利回り(青線):年5%
- 普通預金利回り(オレンジ線):年0.001%
運用方法 | 40年後の金額 |
---|---|
積立投資(年5%) | 約1500万円 |
普通預金 | 約480万円 |

積立投資
普通預金
これだけの差がつく理由は「複利」の力。長期でコツコツ積み立てれば、時間が資産を育ててくれるのです。※実際にはこのように滑らかな線を描いて貯蓄額は増えていきませんが(ここ重要)、この差を見ると、「攻め」の資産形成の重要性がよくわかりますね。
まずはできることから始めよう
「株はなんだか危ない」「損をするのが怖い…」と思っている人は多いものです。私自身も最初はそうでした。
でも、生活防衛資金を整えつつ心に余裕ができたタイミングで、思い切ってインデックス投資に一歩踏み出してみました。
最初は、毎月1万円だけの自動積立からスタート。証券口座で一度設定してしまえば、あとはほったらかし。気がつけば半年、1年と続いていて、投資が「特別なこと」ではなくなっていました。
投資は短期で成果を求めるものではありません。長い時間をかけて、少しずつ育てていくもの。相場には波がありますが、焦らずコツコツ積み立てていく姿勢が何よりも大切です。
まずは、できることから始めましょう。小さな一歩が、大きな未来をつくります。
まとめ:長期目線で「攻め」の一歩を踏み出そう
- 「新NISA」は非課税という素晴らしい制度
- 株式投資、特にインデックス投資は長期で有利
- 普通預金とのリターン差は驚くほど大きい
- リスクを理解して少額から始めてみよう
資産額が1,000万円を超えるまではシンプルにインデックス投資の積立だけでも十分です。「守り」の次は「攻め」、バランスの取れた資産形成を目指しましょう。
次回は、口座開設の具体的な手順や新NISA積立設定について紹介予定です。お楽しみに!
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